ご実家での同居生活を経て、念願のマイホームを建てられたHさん。それまで暮らしていたのは、旧き良き時代を彷彿させる昔ながらの家の造りで、トイレがあるのも長い長い廊下のさらにその奥。お子さんがその雰囲気を恐れて一人でトイレに行けず、その付き添いが悩みの種だったとか。そこで今回お2人が希望されたのが、お子さんが一人で安心してトイレに行けて、家族みんなに暮らし良い間取りと動線であること。また、コストを抑えるところ、こだわりを実現するところのメリハリをつけて、建築費用を予算内にキッチリ収めることも要望。こうして完成したのが、コンパクトな間取りの中にも機能を〝ぎゅぎゅっ〟と詰め込んだH邸だ。オール電化&エコキュートの嬉しい装備やパントリーを設けたキッチン、さらには、ピアノの指定席となる2階のホールなど、ご家族の夢を叶える住まいが完成。中でも一番こだわったのが玄関周りで、設計プランもほぼ固まった終盤に依頼をされたシューズインクロゼットも、試行錯誤の末に予算や広さを空間内でやり繰りしてデザインと機能を両立。柔軟な発想と巧みなプランでゼロから創るオリジナル住宅だからこその、〝家族に一番暮らしいい〟理想の我が家が実現した。
ダイニングからリビング、そして和室へと、オープンになりすぎず、ゆるやかにつながる1階フロア。
来客の目に多く触れる場所だけに、使い勝手はもちろん、デザイン性にもしっかりこだわった玄関周り
限られた空間の中にプチ・シューズインクロゼットを実現した玄関。仕切り壁の位置も現場で使い勝手を確認しながら1㎝単位で調整
2人のお子さんを持つモコス世代。理想とされる“スープの冷めない距離”に30代で新居を実現。広くて動線が長い暮らしを一新、機能が集約されたコンパクトなお住まいに。
今川有司 1953年生まれ。東京の工務店で12年間腕を磨き、地元天草に帰郷。大工一筋30年のキャリアを誇る同社の棟梁。余暇は海釣りや磯遊び、山菜採りを楽しむアウトドア派。