吹き抜けの屋根まで届く薪ストーブとオレンジ色のレンガウォールが印象的なM邸。施主がこだわったのは、機械に頼らず冬は薪ストーブで暖を取り、夏は自然の風を取り込む体に優しい暮らし方だ。もちろん家事と仕事で多忙なだけに、動線が良く、和める空間であることも要望。
そこで提案されたのが、暖房効果が高い煙突部分を長く伸ばした、開放的で熱効率の良いスタイルだ。また、車庫とLDKの間には、買い物してきたストック品が収納できる家事室を設け、シンプルで機能的な動線に。窓から緑が楽しめるようウッドデッキの一部には植栽を施し、薪置き場や通勤の近道にもなるマルチなデッキスペースを実現。
室内の雰囲気はもちろん、細部の暮らしやすさにも配慮した住まいが完成した。
日当たりや眺望の良い2階に設けた子供部屋。無垢の木が足に優しく、温もりあふれる空間だ
素材の持つ温もりや色彩、間接照明、窓から見える木々の緑にもこだわり、和みを追求したリビングルーム
キッチンに隣接する和室は、リビングと壁で仕切ることで思いきった和のテイストに挑戦
エアコンの風が苦手なので暖房は薪ストーブ、夏は自然の風が通る造りに
車で帰宅した時、荷物を収納しながら最短でLDKへ行けるインナーガレージ
建物周りの限りあるスペースを有効に活用し、庭を兼ねた心和む空間に
一級建築士 藤崎秀俊 M邸は住宅街にあるため、窓の位置ひとつにも外からの視線を考え、室内からの眺望や夏場の通風にも配慮してプランニングしています。