ペパーミントグリーンの壁、庭を取り込む窓にはコバルトブルーのロールスクリーンと、爽やかな色彩に思わず心が躍るキッチン。リビングは白い天井に渡る木の梁が、落ち着いた空間を生み出す。イギリス人の奥様が色にはこだわったと言うだけに、独特な色彩が見事に調和した家だ。さらに玄関フロアやシューズクローク、寝室などには、アーチの入口をあしらい、欧風スタイルの優雅な演出も忘れない。
家の中がすっきりと整理されているのは、驚くべき収納スペースの充実にある。キッチンのタンドリー、掃除グッズ、ゴミ箱など個々に収納箇所を設置。2階にもウォークインクローゼット、子ども部屋には大容量の収納棚や造作書棚と、物を隠す奥様の片付け術を貫いた設計だ。
新鮮な色彩、美しく暮らすための収納術、随所に散りばめた優雅なデザイン、イギリスの感性を融合させた、心地よい個性豊かな家の完成となった。
アイランドキッチンにして動線を自由に。ウッドデッキは子どもの様子が分かるように配置
子ども部屋は淡いピンクで統一。2階はイギリス風に全て床をカーペットで敷き詰めている
パイン材とアーチのあしらいが温かく迎える玄関。大容量のシューズクロークですっきりと
寝室はアジアン調のクロスでシックに。書斎とウォークインクローゼットをつなげ機能的に
物を出さない、いつでも片付けられるように各部屋に収納場所を設けて欲しい
家族がいつも集まりたくなるアイランドキッチンにして、明るく開放的な空間に
イギリススタイルを取り入れながら、日本的な和室や色調も織り交ぜた家にしたい
一級建築士 吉田隼人 家の外観は、色や薪ストーブの煙突などで、昔ながらの集落の中に溶け込むようなデザインにした。また、三世代同居ということで、主婦の動線を中心に、水回り、リビング、祖母室をなるべく近くに設計している。